ココロガワリ

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     安崎透弥 ここはどこだろうか、暗くてなにも見えない。 体が重く、思うように動かない。まぶたが閉じていることに気付く。不思議とそこだけは簡単に動くような気がした。 目を開けると、見覚えのない天井が映った。 本当にここはどこだろう。戸惑いながらも、目を動かすと、周りから声が聞こえた。そこで、人がいたことに気がついた。 何を言っているのか聞き取れなかったが、誰かと話しているようだった。 「気がついたようね、透弥君」 その人は、僕に向かって聞きなれない名前で呼んだ。――僕は困惑した。誰のことだろう、その疑問が頭に浮かんだ。 「喋れるかな、透弥君?」 その人は僕の傍により、再び同じ名前を使って、僕を呼んだ。 「ちょっと……待ってください。僕の名は……康希ですよ?」 口がうまく動かせない、そして自ら出した声に違和感を持ったが、気にせず続け、その人に、たどたどしい口調で僕の名前を伝えると、困惑したような表情で、僕を見ていた。そして、もう一人の方に声をかけ、何かを伝えていた。 しばらくすると、ドアの開く音がして、誰かが入ってきた。 その誰かは、さっき僕に話かけた人と話していた。会話の内容は聞こえなかったが、会話から聞こえる声に、聞き覚えがあった。 誰かが僕の近くに来るような音がした。その誰かが僕の視界に捉えた。
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