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医師の物語
私は、安崎透弥の病室の前にいた。そこで一息ついてから、中に入り彼の様子を見た。意識は戻ったと聞いたが、体は仰向けになった状態のままであった。
私は、彼がまだ体が動かせない状態であることを推測した。しかし、それ以外に別段変わったところは見当たらない。そこで、近くにいた看護師に話を聞いた。
「患者の様子がおかしいと聞いたが?」
「あ、はい。意識を取り戻したことに気付いたので、彼女が、透弥君に向かって名前を呼びましたが、反応せず、もう一度呼ぶと、違う名前を言ったそうです」
「なるほど……確認しよう」
彼にそう言って、私は透弥の様子を見るため、彼に近づいた。
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