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ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ……
もう朝……か。
寝たまま腕を伸ばし、目覚ましを止める。
その時、俺は体に違和感を覚えた。
何かこう、柔らかい物が俺の腹の辺りに当たっている。
またか、と思いつつ体を起こしながら掛布団をめくった。
すると、予想通り中から可愛らしい寝顔をした俺の1歳年下の妹、水瀬さつき(みなせ~)が出てきた。
また潜り込んできたのか……。
高2、高1の兄妹が同じベッドで寝てる。
何回見ても犯罪臭が漂い過ぎてヤバイなこれ。
まぁ、止めろって既に100回は言ってるのに止めないので諦めているが……。
「さつき、もう朝だぞ。」
と声をかけたら、
「ん~、お兄ちゃん、そこはダメぇ……」
と何か妙に色っぽい返事が返ってきた。
どんな夢を見てるんだか……。
「さっさと起きろ。そろそろ起きないとエレキショックで起こすぞ?」
と冗談混じりに言ってみたら、さつきは体をビクッと震わせ、目をうっすらと開けた。
「お兄ちゃん……妹を起こすのに……魔法を使おうとするのは……良くないんじゃ……ないかな?」
と寝惚けている様な声でそんな抗議をしてきた。
「人のベッドに潜り込んできて何を言うか。普通は追い出されてもおかしくないぞ?」
言ってみたら、
「お兄ちゃんは優しいからそんなことしないもん……」
と返してきた。
ぶっちゃけ、追い出したりなんかしないし、魔法を使って起こそうとする気なんて、さらさらない。
魔法はそんな用途に使うべきじゃないからな。
「ほら、早く起き上がれ。今日は月曜なんだから会議があるぞ」
「あぁ、そっか……。今日は特に大事なんだよね?」
「7月の3週に開催される、『DSMT(東都学院最強魔法使い決定戦)(Decision of the Strongest Magician in Touto Gakuin)』の組み合わせとかを考えなきゃいけないからな。俺は朝食を作るから、さつきは学院に行く準備をしてきなさい」
「はーい」
そして俺とさつきは朝食を食べた後、学院へ向かった……。
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