プロローグ

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ちなみに楓(名字不詳)は俺が14歳の時の修行中に孤児院で出会い、俺が引き取った孤児だ。 ちなみに同い年である。 彼女は元々、死に至る心臓の病気を持っていたが、俺が手術をして、魔力で動く機械の心臓を彼女に移植したため、彼女は一命をとりとめた。 詳しい経緯は、また話す時が来るだろう。 魔力で動く心臓は1日に1回、俺が魔力を注入しなければならない。 「終わりました」 と楓はドアを開けて言ってきた。 女子なのに相変わらず早いな。 俺は部屋に入り、 「じゃあ魔力を入れてやるから座れ」 「はい」 と言って、座った。 俺は指先に魔力を集中させる。 通常、魔力は手の平に集中させ放出するものだが、俺のオリジナルスキル(OS)「天の糸」、レジェンドスキル(LS)「回路支配」コモンスキル(CS)「魔力凝縮」により、俺は指先に凝縮、そこから魔力の糸を出し、人に魔力を渡す事が出来る。 ちなみにスキルというのは魔法使いなら誰でも習得出来るもので、それを習得した魔法使いは、特殊な魔法を使う事が出来るようになる。 種類はコモンスキル(CS)、レアスキル(RS)、オリジナルスキル(OS)、レジェンドスキル(LS)、ディバインスキル(DS)の5種類ある。 俺の指先から青白い魔力の糸が楓の心臓に向けて入っていく。 すると楓は 「あっ……」 と妙に艶っぽい声をあげた。 「一応2年間続けてるんだから、いい加減慣れろよ」 「だって……マスターの魔力って日に日に濃くなってますし……」 「よく言ってるが、実際このスキルは俺のスキルの中では一番危険なんだぞ?」 「はい……でもマスターは危険な魔法を使わないのを知ってますから……」 と言ってくる。 OS「天の糸」は、血液の流れと密接な関係がある魔力の回路を、RS「回路解析」を使って解析し、LS「回路支配」で支配し、「天の糸」の魔力で相手の魔力を逆流させることが出来る。そして、魔力と血液の流れが合わなくなり、血管が破裂し、人を殺す事が出来るのだ。 俺は30秒程魔力を与え続けた。 「ほら、終わったぞ」 「毎朝ありがとうございます」 と楓はペコリとお辞儀をした。 「じゃあ、会議室に行くか」 「はい、マスター」 と言い、楓を連れて会議室に戻った。
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