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始まりは呆気ないものだった。
私、北山鈴菜は古くから陰陽師を生業としている北山家三十代目次期当主。
只今住み慣れた京都を離れ、新しい住居に向かう途中である。
事の始まりは祖父、北山大五郎の一言だった。
「修業してこい」
その一言で私は神津市三坂にあると言う河井荘で新生活を送ることとなった。
[次はー三坂ー次はー三坂ー]
くぐもったような電車のアナウンスを聞き目的地に近いことを覚る。
これから新しい生活を送ることとなる河井荘・・・
美少年とか居ないかな?なんて邪な思いやら住人たちと仲良くなれるかな?とかいうドキドキとかを抱いて私は電車を降りた。
さて、荷物は送ってあるし、ゆっくりと歩いていくかな?
そう思いつつのんびりとした足取りで歩きだした。
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