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朝から河井荘は賑やかだ。
「だから!五代目にはこっちのワンピースが似合うっつってんでしょ!!バカ六助!!」
「いや!!五代目にはこっちのミニスカートだ!!そんな服より五代目のすらりとしたおみ足を出すべきだ!!」
もはや、何の会話だ。
まずその前に私と彼方の部屋で言い争っているこいつらは誰だ。
かたや、昔の薬屋のような頭巾と口布。もう片方は覆面の銀髪で動きやすそうな着物で硝煙のような焦げ臭い臭いがする。
「幻影……六郎……テメェらうるせえよ…………」
遂に彼方が起きた。目覚めが悪かったらしく、眉間に皺が寄っている。
「「お早うございます!!五代目!!」」
「帰れ」
彼方の帰れ発言が相当ショックだったらしい。両方共に目を見開き立ち尽くしている。
「……彼方、彼方。あれ、誰?」
「あれは、薬屋の格好が幻影。元、辻斬り。んで、焦げ臭いのが望月六郎。大抵、六助って呼ばれてるな。元、爆弾魔。ウチの幹部…というか俺の護衛」
疲れた顔の彼方が説明してくれた。
「アンタん所の奴って物騒な歴史持ってるんだね…」
「まあね…」
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