出会いの季節、春。

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中学一年生、春― 校門をくぐり、中へと続く道を少し進むと、左側には体育館、右側には大きなグラウンドがある。 体育館の大きな正面の横には、大きな桜の木があり、ひらひらと花びらは散っている。 朝7時30分。 校内にはもう、僕と同じ新しい制服を着た人がいっぱいいる。 体育館の隣に建っている運動部の部室一階には、クラス表が貼られていた。 クラス表のところに集まっている大勢の人をかき分けながらゆっくり前へ進む俺。 ようやくクラス表の前に立ち、自分のクラスを探していたら… “バシッ” 後ろから背中を叩かれると同時に、見覚えのある声がした。 「おっはよ~!」 「朝からハイテンションだな。っていうかお前は、普通に挨拶できないのかよ!普通に!」 「ハイハイ。 で、駿はなん組?」 絶対、分かってねぇ! そう思いながらも、自分のクラスを探す。 あった…。 「四組。」 「残念。俺、一組。クラス離れちゃたなぁ。」 俺は、大森駿。 で、俺の隣にいるこいつは、幼稚園からの付き合いで大親友の、橋本大智。 俺達は、そそくさと教室へ向かう。 1年のクラスは、全部で4組。そして、校舎の4階。 「さすがに、4階はキツイなぁ…。」 「あぁ。」 少し乱れた呼吸を整えて廊下を歩く。1年のクラス配置は手前から、一組、二組となっていて、二組と三組の間には、ホールがある。少し廊下を進み、大智の組に着き別れようとすると… ん? ホールに、誰かを囲むような人だかりが出来ている。 「キャー!」「綺麗だわ~!」とかのき声も聞こえる。 大智もそのことに気付いたらしく、 「見に行こうぜっ!」 「おう!」 小走りでホールに向かう俺達。 ホールに着き人だかりの中に入るとそこには、女の子がいた。 身長は平均ぐらいで、髪は腰まであるロングヘアー、手足は長く細い、なのに色気があり、その容姿に男が振り向かないわけがないだろう。 いや、女すらも振り向かないわけがない。 俺達は人だかりを抜け、こそこそと話す。 「駿、見たかよあれ。」 「お、おぉ…。」 「めっちゃくちゃ、美少女。1年の階にいるってことは、新入生だよな?」 「あぁ、多分。」 後ろを振り返り、人だかりをみると、徐々に移動し、俺達はあとを追う。 その人だかりは、四組のドアで止まる。 …ってことは!? 「あの子、四組?」 俺が予想していたことを、大智は聞いてきた。
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