第2話 『樹利の回答』

32/50
前へ
/1145ページ
次へ
「えっ、注射ですか? 注射が苦手なんですか?」 「ああ俺、注射大嫌い。 針を扱った仕事をしてるけど、それを肉体に刺すとか、ありえないし。 だから俺、ピアスも開けてないだろ?」 そう言って耳を指した樹利に、カズは「ええ?」と身を乗り出した。 「そ、そんな理由でピアスの穴開けてなかったんすか?針が嫌で?」 そう尋ねたカズに、樹利は「そう」と頷いた。 「い、意外すぎっすよ」 「え、そうか?」 「どうして嫌いなんですか?」 「えっ、理由なんかないけど。 カズは苦手じゃないのか?」 「いやぁ、好きではないですけど、ピアスの穴は開けてますし」 「へえ、それは結構なことで」 サラリとそう告げた樹利に、カズはプッと笑った。 ※まいふぁみりさん、ありがとうございましたm(__)m
/1145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24299人が本棚に入れています
本棚に追加