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「ええ?気持ちの浮気?
そんなことあったんですか?
気持ちの浮気って、一体どんな状態を言うんですか?」
驚き目を丸くして身を乗り出したカズに、樹利はバツが悪そうに髪をかき上げた。
「……昔凄く好きだった人がいて、ちょっとした偶然というのかトラブルで、その人への気持ちが一時的に蘇ったことがあって。
なんていうんだろう、その頃にいきなりタイムトリップしたみたいな感じだったんだ」
リンとの確執を思い浮かべながらそう告げた樹利に、カズはゴクリと息を呑んだ。
「えっ、それでどうなったんですか?」
「俺の心が浮ついていることを知った可愛は『今度こそ彼女と幸せになってね』って置手紙をして、出て行っちゃって……」
「えーっ、そんなことがあったんですか?
そ、それでどうしたんですか?」
初耳だったカズは勢いよく身を乗り出した。
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