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「君の敗因は本気でやらなかった事だ。降参をしろ…出なければ…斬る。」
「何故だ!! 何故、それほどの力があるのにあんな戦いをした!!」
一回戦目の事だろう。
「師匠以外の人間と試合したのは始めてだからだ。もう一度言う降参をしろ。」
「ふ…ふざけるな!!」
降参をする気がないようなので刀を首筋から放し鞘にしまう。
試合に興味が無くなった。
ボクはブリテタニアンに背を向け歩き出した。
自分が嘗められているのに腹が立ったのか、ブリテタニアンがあろうことかボクの背後を襲った。
「敵の背後を襲うか…姫騎士が聞いて呆れる。」
敵の背後を襲う…これは騎士にあるまじき行為。
彼(か)のアーサー王伝説でアーサー王は敵の背後を襲い、その騎士にあるまじき行為のせいで聖剣を折ったという。
アーサー王の治める国の名はブリテン…
彼女の国の名はブリテタニアン、そして彼女は聖剣使い。
何かの縁があるとは思ったが…
「聖剣を使ってなくて良かったね。」
ボクは一瞬で振り向き刀を抜いた。
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