王道そうで王道じゃない少し王道な始まり

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「クインさんに漣さんですか…ボクの名前は―――です…」 ん? 「―――です…」 あれ? 「―――、―――、―――…」 名前が"ピー"に消されて言えない… 「少年、君は今、魂だけの姿だ。」 「魂ってのはね。前世や来世のモノでもあるの、故に決まった名前など無いのよ。」 「は、はあ…」 曖昧に返事をしたが、つまりは魂だけの存在に名前を名乗る事はできない、って事か… ……軽々と携帯小説の固定概念を無視する設定だな。 「君が物語の中で使う体は用意してあるから、まずはそこに入ってもらうよ。大丈夫、体型体格はそのままだから慣れは必要ないよ。」 いや、入るってどうやんの… そう思っていると何だか怪しい笑みを浮かべたクインさんがゆっくりと迫ってきて 「えいっ♪」 ボク、押されてばかりだな… 車に轢かれた時のが軽くトラウマになってるんだけど…
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