265人が本棚に入れています
本棚に追加
/316ページ
楽しそうに通学する小学生を見ると、いつも心が痛む。涙が出そうになるのを必死にこらえる。あの頃には戻れない...。誰よりもわかってるじゃん。そっと視線をずらして学校に着く。
教室に行くと、去年と同じクラスメイトがいたり、他の新メンバーがいた。みな、わいわい騒いでいた。少しうらやましいな。
「久しぶり!」と私に一番に抱きついてきたのは、中学のときからの友達。真由っていう子だけど、すごくいい子だ。いつもプリントを家まで持ってきてくれたよね。すごくうれしかったんだよ。
「うん、ただいま」照れくさいけど私は笑った。
「心配していたよ。大丈夫?」そう訊ねてきたのも中学のときからの友達のみなみちゃん。あだ名はおかん。
「本当?もう大丈夫だから」ほかに二人知らない子がいた。
「えっと...」思わず私はつまずいてしまう。
「初めまして、私はいちご」
「私は詩織」二人はそう言ってにっこり笑った。返せない。
最初のコメントを投稿しよう!