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「二人とも、奈緒の事情を知っているから」そう言ってにっこり笑う真由ちゃん。うれしかった。私の暗い部分を知っても逃げない子もいるんだって。
「初めまして、奈緒です。よろしくね」そういうと真由ちゃんがにやりと笑った。
「この子、変態だから注意してね。あと、M子だからいじってあげてね」
「ちょっと」すぐに私は訂正に入る。が、すぐにそれが事実だと気づかれた。
体育館で始業式があった帰り道。自分の前に歩いている子が階段に上り始めたとき、思わずにやけてしまった。私のところの学校の女子のスカート、少し短いんですよ。だから、ほら階段に登ったりすると...。
「顔がにやけてるよ、変態」真由ちゃんにすぐに指摘される。
「前を歩いている人が悪い。それに私は紳士だし」
「変態という名の紳士ですか。乙」口げんかは絶対勝てません、はい。
周りを見ると、友達全員ドン引き。顔が引きつっている...。いい顔だぜ。
「お手」そういわれ、お手をする。
「おかわり」はい。その様子にみんな笑った。
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