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始業式から数日が経ち、すぐに私は教室にいることに慣れた。たまに、精神的にしんどくなったりもしたが真由ちゃんに助けてもらっていた。修学旅行まで一ヶ月を切った今日の昼休み。話題は修学旅行のことで持ちきりだった。
「みんなはどこに行くの?」真由ちゃんはおいしそうに焼けている玉子焼きを口に入れながら訊ねた。
真由ちゃんは、オーストラリア。いちごちゃんは東京。私とおかんと詩織ちゃんは北海道だ。
「って、詩織ちゃんも北海道!」思わず驚いてご飯をのどに詰まらせてしまった。冷たい目で詩織ちゃんは私を見ていた。視線で人を殺せるかもしれないと本気で思ってしまった。
「何か悪いですか?」
「いいえ。ナンデモナイヨー」すぐに机の下から足を蹴られた。意外に痛いんだよ?これ。
「奈緒ちゃん、どうかしたの?」
「自業自得」そう言っておかんは隣で笑っていた。だから、おなかをこちょばしてやった。
「ひどい」
「自業自得」同じ答えをおまけに返してやった。
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