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「ええ、その通りなんです。
どんな些細なことでもいいんですが、あの事件があった日に何か変わったことがあれば教えていただきたいんですが…… 」
「変わったことと言われましてもねぇ…… 」
婦人が思案気な顔をすると、早野は優しく世間話をするように問い直しました。
「事件に関係ないことでも、その時間に付近の住民がどんな状態だったか知りたいと思っているんですよ。
例えば、家の前を知らない車が通ったとか、知らない犬が散歩していた話でもいいですよ。
要は、あの時刻の前後に皆さんが見たり聞いたりしたことで、いつもとちょっとでも違うことがあれば・・・・・・何でも知りたいんです」
早野はこういった聞き込みの時には部下に対する時とは違い、とてもソフトに対応して相手の心を開きます。
小松はいつもながら、上司の巧みな話術で表情が柔和になっていくご婦人を不思議そうに見ていました。
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