未遂

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「このナイフ…… 抜かなくちゃ…… 」 雅美が恐る恐る手を伸ばそうとしたのを、裕輔が制しました。 「姫、ナイフは抜かない方がいい。 下手をすると、抜いた途端に大出血を起こしてしまうよ」 雅美は伸ばした手を引っ込めて、女性の顔に自分の顔を近付けました。 「もうすぐ救急車が到着します。 頑張ってください!! 」 すると、女性は瞼を上げて何かを言おうと僅かに口を開いたようです。 ヒュー…… しかし、女性の口からは微かに息が漏れただけで、何を言っているのか聞き取れません。 「どうしました? 刺した犯人を知っているのですね? 誰なんですか!? 」
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