未遂

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「楓、怖い思いをさせちゃったわね。 ママがちゃんと絵画教室まで着いて行けば良かった…… ごめんね、楓」 彩子も涙をポロポロと流しています。 「大事にならなくて幸いでした。 悲しいことに、こんなご時世ですからね、すぐ近所とは言えまだ送り迎えはお願いします。 誘拐未遂事件の犯人は分かっていますから、もう一度しょっ引いてやります。 あとは警察に任せてください」 早野は小松と一緒に席を立ちました。 楓が泣いているので、裕輔と雅美も刑事達と一緒に進藤家を出ることにしました。 「雅美ちゃん、ありがとう。 今日の聞き込みは雅美ちゃんの大活躍でしたよ。 おかげで捜査も軌道修正できそうです。 無事に解決できたら、久留間家に真っ先に報告に来ます」 早野は裕輔と雅美に一礼しました。 裕輔と雅美はマンションの前で刑事達の後姿を見送っています。 小松は振り向いて雅美に向かって大きく手を振ってから、角を曲がって行きました。 「警部、これでやっと昼飯に有り付けますね。 もう腹ペコですよー。 やっぱり、この下のカレー屋に行きましょうよ! 」
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