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二人がリビングを出て玄関に向かおうとすると、
「あら?
裕輔さん、雅美ちゃん、どこかにお出掛け? 」
後ろから掛けられた声の主の方へ、裕輔と雅美はそっと振り向きました。
「お義母さんでしたか。
最近声の質が似てきたので、沙英子かと思いました」
裕輔がホッと安堵したようにそう言うと、沙英子の母である真理子は裕輔と雅美の顔を見比べながら優しく微笑みました。
「……成る程。
そうね、雅美ちゃんもずっと部屋の中ばかりじゃ疲れちゃうわよね。
叔父様とデートをしてくるといいわ。
沙英子は少し心配性なところがあるの。
雅美ちゃんが事件のことでショックを受けているだろうと、とても気にしているのよ」
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