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「姫、秘密の場所にご案内するよ。
このまま道を下って海に出てもいいんだが、実はこの小道を抜けたところに絶好のビュースポットがあるんだ」
叔父の裕輔は、雅美の方を向きながら小道を指差しています。
ちょうどその時、男が小道から飛び出してきました。
男は後ろを振り返りながら走っていたので、裕輔の背中に思い切りぶつかってしまったのです。
「叔父様!
大丈夫!? 」
裕輔は弾き飛ばされる形で、道に沿って植えられていた街路樹にぶつかり、雅美は慌てて叔父の元に駆け寄りました。
「痛ぅ……
最近の若者は、礼儀を知らないな」
裕輔は片手を上げて姪に大丈夫だとサインを送ると、木にぶつかった左肩を軽く摩っています。
ぶつかった男は、そのまま走り去ってしまったようでした。
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