未遂

95/147
前へ
/149ページ
次へ
黙って話を聞いていた真理子が、思いついたように口を開きました。 「小さい子が『おじさん』と呼ぶのは、必ずしも親族の、叔父を指す訳ではないでしょう。 近所のおじさんのことも、名前ではなく『おじさん』と呼ぶんじゃないかしらね」 「それはそうですね……。 楓ちゃんがおじさんに買って貰ったと言うのを聞いて、勝手に実の叔父さんのことだと思っていました。 でも、他人のおじさんだとしたら……楓ちゃんが親に言えないって言うのは問題ですよね…… 」 雅美はアイスティーに手を付けるのも忘れて考え込んでいるようでした。
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1350人が本棚に入れています
本棚に追加