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後ろの壁に背中をもたれかけさせて腕を組んでいるのは、同じ部屋に同居する拓海。男。見た目年齢25歳の僕らの"お仲間"。
―――ヴァンパイアだ。
拓海は僕の後ろに立つと、その完璧に整った顔をカッコ良くかつ、爽やかに歪ませて微笑んだ。
「邪魔だよ。働くオトコは忙しいんだ。ガキはさっさと学校でも行って、トモダチと遊んでろよ」
「……クッ!!わーったよ!!まったく125歳の年寄りと同居なんてするもんじゃないな!朝が早くて寝坊も出来ない!!」
なんであんなイケメン面して、毒舌なんだよ!!とか思いながら横を通り過ぎようとした時、身体に重い衝撃と遅れて鈍い痛みが腹を襲った。
身体をくの字に曲げてこみあがる吐き気を堪えていると、耳元で拓海が囁いた。
二本の鋭い牙が鏡の中で光る。
「……俺だって、お前みたいな出来損ないと同居なんて、ゴメンだ。高々90歳のくせして、粋がんなよ?」
コイツは、ヴァンパイアじゃなくて、悪魔になれば良かったのに。
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