13人が本棚に入れています
本棚に追加
わたわたと意味もなさげに両手をバタつかせ、僕の顔をのぞき込むように見上げてくる。
「そ、そんなに強くぶつかったかな?保健室、行く?」
「いや、大丈夫。それに保健室なら最初から行くつもりでいたから」
「えっ!?どっか具合悪かったの?ごめんね!付き添うよ?」
「いや、必要ないから。ひとりで行けるし」
「でもでも!」
「いや…ホント大丈夫だから。じゃあね」
断っても食い下がる女に手を振って、やっとの事で教室を出た。
暖かな日差しが射し込む廊下を歩いていると、ザワッと全身に鳥肌が立った。
女、苦手なんだよな。うわ、腕プツプツ……気持ち悪……。
そう、僕は一応ヴァンパイアではあるけど、女がすごく苦手なのだ。
あの時…ぶつかった時、本当は転ばないように支える事だって出来た。触りたくないからやんなかったけど。
男とぶつかったって、やんねぇけど。気持ちわりぃ。
最初のコメントを投稿しよう!