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目を覚ますと、そこは見知らぬところだった。回りは木々に囲まれ、セミがその存在をこれでもかと言うほど鳴き散らしている。
「とりあえず...ここどこだ?」
少年は尻に着いた土を払いながら立ち上がった。
よく見ると、まだ幼さの残る顔立ちのなかに少し大人の表情が見え始めた顔立ちだった。おそらく高校生だったのだろう。
(うちの回りにこんな林はなかったよな。てことは、ここは少なくとも俺の知ってる場所ではないか。)
そう少年は確信した。
元々引っ越しなどはしたことがないので自分の町のことはよく知ってる。それでも回りの風景は始めてみるものだった。
すると、
ガサガサ
と、背後の草むらから音がした。
「な、なんだ?!」
少年はすぐそちらを向いた。生憎格闘術は知らなかったがただで負けるほど少年は諦めてなかった。
そんな少年のまえに、
「わはー♪」
金髪の幼女が現れた。
「...はっ?」
おそらく口がだらしなく開いていただろう。それくらい少年は驚いた。
なぜなら、
(うわ、まさかルーミア?てことはここ幻想郷!?)
すると驚いてる少年に向かって金髪の幼女が話しかけた。
「ねぇ、」
(うわ、これはたぶんあれだぞ。あなたは食べてもいい人類?って聞かれるんじゃないか?!)
すると少年の思った通り、
「あなたは食べてもいい人類?」
と聞いてきた。
少年は思わず、
「ダメだぁ!!」
と、大声で叫んでしまった。さすがに驚いてしまったのか、幼女は両目に大粒の涙を溜め始めた。
(マ、マズイ!これは絶対に泣き出す!)
少年はどうにかしようとするが如何せんこういう状況には全くの不馴れだった。
すると、
ガサガサ
っとまた草むらから音がした。
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