5人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ、毎日来てね。」
「は?」
ニヤリって効果音が付きそうな笑顔で言われた。
「なっ!?お前、俺をはめたのか!!」
「そんなつもりじゃないけど。
ただ、そうなったらいいなーって思っただけ。」
「お前なぁ…」
「だって、つまんないだもん。
話し相手になってくれるんでしょ?」
たしかにそう言ったけど……。
さっきの俺の胸の痛みを返せっ!
「まあ、いいけど。」
「いいの!?
じゃあ、約束だからね!」
半ばヤケになって返事をしたら、そいつはいきなり不敵な笑顔から満面の笑顔になって目をキラキラさせて俺を見てそう言う。
そんなそいつを見てたら、それでもいいかなと思えた。
「ああ。約束だ。」
俺もつくづくあまいやつだな。
初対面の、しかも幽霊のこんなお願いを聞いてやるなんてな。
「そうだ、お前名前なんていうんだ?
俺は千葉陸斗だ。」
「私は栗原ゆめ。」
どうやら俺はこの幽霊らしくない能天気な幽霊にこれから先振り回されることになるようだ。
最初のコメントを投稿しよう!