桜の木

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今日は、始業式だ。 だからと言って、俺が何かする訳ではないんだけどな。 俺は、千葉 陸斗だ。 今日から高校2年生になる。 まあ、普通に友達はいるし、親友(?)と呼べるやつも1人いる。 家は、金持ちでも貧乏でもない普通の家庭で育った。 という、どこにでもいるごく普通の人間だ。 今は、教室で担任が今日の段取りを説明している。 興味がない俺は窓の外に目を向けた。 運がいいことに俺の席は一番後ろの窓ぎわなので、寝てもよそ見をしても目立たない。 急に強い風が吹いた。 桜吹雪が舞う中で、俺は中庭にある一番大きな桜の下に誰かがいるのに気付いた。
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