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「…………………。
えっ?えっ?ななななななんでっ!?」
「はいはーい。とりあえず、落ち着いて。深呼吸だよ。」
「あ、うん。
………ってこの状況でどうやって落ち着いけって言うんだよ!!」
「あははっ、面白いねあんた。」
なんかこいつの能天気な笑顔を見てたら、混乱している自分が馬鹿らしく思えてきた。
「で?何やってんの?」
「あれ?なんで急に冷静になってるの?」
「馬鹿らしくなってきた。」
「………へぇー。本当に面白いねあんた。
やることがないから、桜を見てたの。」
「暇なんだ?」
「幽霊だからね。誰とも話せないし、何も掴めないもん。」
そう言って、笑った。
俺には、その顔がなんだか寂しそうに見えた。
そんな顔を見たら、胸がチクリと痛んだ。
「俺で良かったら、話し相手くらいにはなってやる。」
「えっ?いいの?」
「ああ。」
自然とそんな言葉が俺の口から出ていた。
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