放課後

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~将吾side~ どんなに長い1日だったろう 授業中も休み時間も 昼休みも乃愛は俺を見ない 机に伏せたり 窓の外を見つめたり 眉を寄せたり 果てしなく遠くを見たり こんなに誰かを1日中 見ていたことはない だからこそ乃愛に 特別な何かを感じてしまう だけど上手く伝えられず 不自然な綺麗事を並べて 君を愛したい なんて言った… あの一言にどれだけ俺の想いが こもったのかは分からない だけど本気な気持ちを 上手く言い表せないんだ… なるべく早く答えを出す と乃愛は言ったけど それがいつかは 分からないし このまま、 はぐらかされるかもしれない 授業が終わると チャイムが鳴り響く だけど乃愛はまだ黒板を 真っ直ぐに見ている 今すぐ君の席まで 行ってもいいかぃ? 返事は聞こえない 口に出してないのだから 当たり前だ だけど…それが 君の答えのような気がした 乃愛… 君の口から 愛するという事の 本当の意味を 教えてくれないか? それが 酷く冷たいものだとしても 俺は君を愛したいんだ。
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