伝説の4人

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『姉だ』という驚きの言葉にこの場にいる殆どの人間が困惑した表情を浮かべていたが 「彼女は初代実務部長だよ」 この一橋の一言がダメ押しとなった。 《何が驚くってそりゃあ二十歳超えた人間が小学生に見えること、低学年でも通るぞあれは と、後にこの現場に居たA君は証言している(部員白書より)》 さて、紹介が遅くなったが弥王の姉である彼女は白井涼香(しらいすずか)。 初代実務部長だ。 小学生に見えるがれっきとした成人女性である。 年齢は24歳。 不老といわれた女がかつてこのサークルにいたことはサークルメンバー達の間でも有名な話だ だけどこの場合、不老の女じゃなくて女子児童って言葉の方がぴったりだろーが!!! と、誰かが心の中で叫んだという・・・ 『涼香ちゃん、君もそろそろ慣れたらどうだい? もう数え切れないくらい言われてるでしょう?』 そう促したのは初代事務副部長、灰宮恭哉(はいみやきょうや) 男にしては小柄で細身な体型 こげ茶色の髪は首元が少し見えるくらいまでの長さがある。 洒落た眼鏡の向こうから覗く優しげな眼差しで親しみやすい印象を与える男である。 その隣で180cm以上はある背の高い男が呆れたように笑った。 ぎりぎり束ねることができる長さの金髪に 切れ長の二重の瞳とスッと通った鼻筋 見るからに女達が好きそうな容姿 初代実務副部長、紅蓮(くれないれん)である。 『恭哉、この餓鬼には無理だろ? 菓子でも与えときゃ大人しいんだ 諭すよりそっちのが最善だぞ』 煙草に火を付けながら蓮はそう言ってまた笑う。 『蓮・・・・お前は誰に断りを得て煙草を吸おうとしてるのかな? いい加減お前も覚えたらどうだ?』 ドスのきいた地を這うような声と黒いオーラを放つ亮に煙草を持っていた手はピタリと止まる 『いや、あの…』 口ごもる蓮に、亮は優しい笑みを向ける 優しい笑みと反して全く笑っていない眼光の鋭さに蓮は凍りつく。 一言も発しないままなのが更に怖い。 『亮・・・・ とりあえず初対面の人ばかりだし 自己紹介した方が良いんじゃない? 困ってるよ彼等』 わらわらと集まってきた知らない人物達に困惑するはサークルメンバーを見かねてそう言ったのは初代サークルメンバーの中で一番まともな思考を持っている恭哉だった
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