金毛九尾狐

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金毛九尾狐

 私の名前は「タチバナ・コバヤカワ」。  まあ何処にでも居る普通の魔道弁護士だ。  ――と、お決まりの様な冒頭部分を演出したいところだが、この魔道弁護士というのは現在、世界で私一人しか存在していない。よって「何処にでも居る普通の」という表現は不適切なので、使わないでおこう……もう使っているが……。  そしてこの魔道弁護士だが、魔法を使う弁護士、または魔法が使える弁護士の事を指している訳ではない。というか弁護士ですらない。  ――が、私の知り合いの商人曰く、 「君が使っているのは立派な魔法だ」  ――との事だが、私には全くその自覚が無い。  結局のところ、私のしている仕事にコレといって当て嵌まる名が無いため、便宜上暫定的に魔道弁護士と名付けられたのだ。  ではこの魔道弁護士という仕事、一体どんな仕事なのか――  百聞は一見に如かず、早速御覧頂くとしよう。
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