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「何を言っておられるのですか、魔王様」
少しきつめな言い方だった。
眼鏡の奥に光るアネットさんの瞳は少し怖い。
「なんでかよく分かんないけど、この指輪を身につけちゃいけない気がする」
第六感的にな何か。俺がマジで魔王だというのなら、何らかのの力が働いているのかもしれない。
祭壇に奉られている黒い指輪。きっと価値があるものなのだろう。
その指輪を前にして、俺は本能的にそれを嫌っている。
手が伸びないんだ。
「確かにその指輪はいわく付きのものです。しかし、魔王様が指輪をはめなければ、魔界が大きく乱れる可能性があるのです」
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