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俺は黒い指輪を手に取り、アネットさんに言われるがまま、右手薬指へ。
「ゆっくりと。指の付け根まではめ込んで下さい」
きついわけでもなく、緩いわけでもない。
まるでその指輪は、俺の為に作られたかのように。
怖いくらい俺の指のサイズにピッタリだった。
初めは冷たい感触だったけど、段々と体に馴染む。
体の底から得体のしれない力が湧いてくるような気が。
「魔王様から、凄まじいエネルギーを感じます。心が落ち着きます」
アネットさんはまるで指輪をはめた俺に心を掴まれたようにぐーっと引き付けられるような目をしていた。
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