俺の高校生活は誘拐されて始まった。

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壁も天井も真っ白で、まさに新築の匂い。 玄関や廊下には、砂粒一つ、埃一つ落ちていない。 部屋を入って左手に、トイレと洗面所、そしてシャワー室。 8畳程の1人部屋。シンプルなキッチン、そしてクローゼット。 部屋の備品として、シングルベッド、冷蔵庫、液晶テレビ。さらにはエアコンも完備されていた。 東京に来て、こんないい部屋に住めるとは。 ワクワク感が押し寄せる。 お約束のベッドダイブをかました俺に、アネットさんは口に指を添えながら微笑んでいた。 「嬉しそうですね、魔王様。私の部屋は隣ですから、何かありましたらすぐに申し付けて下さいませ」 なにぃ!? アネットさんが隣の部屋に住むだと!
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