また、いつか

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「君はいつ、目覚めるんだろうね。」 国の外れの塔の上。 色とりどりの花で埋め尽くされている最上階で、薔薇色のリボンで長い黒髪を一つに結んだ少年が、眠る少女に話しかけていた。 黒髪の間からは、左右に闇色の角が生えている。 骨だけを残した翼は、もはや世界を回ることはできないが、宙に浮く彼女の元へはいつでも飛んで行けた。 少年は、悪魔と呼ばれる存在。 「君が眠って、もう一年が経ったよ。」 少年と同じリボンをつけた少女は宙に浮いた状態で止まり、眠っていた。 胸の前で祈るように手袋をはめた小さな両手を合わせ、長いまつげが伏せられたその瞳が、この一年、開かれることはなかった。
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