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流れるようなウェーブのかかった、腰まであるキャラメル色の髪。
白磁のようななめらかな肌。かわいらしい口。
若草色のドレスも全て、悪魔が彼女と出会った一年前の時、そのままで、何一つ変わっていない。
彼女だけ、時に忘れ去られたかのように。
「早く、早く、目覚めて。また君とお話がしたいんだ。」
悪魔の闇色の瞳から、ほろりと一粒の透明な涙が零れ落ちた。
少女の手に当たって、弾けたが、それでも彼女が目覚めることはなかった。
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