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「――なぁ、梨音?」
リビングで寛いでいると、兄の京が話しかけてきた。
「ん? なに、お兄ちゃん?」
首だけ動かしてお兄ちゃんを見る。
「お前、明日から蘭華学園に行ってもらうから」
「……はい?」
あたしは余りの事に、頭がついて行けない。
だってだって、あそこは……
「……お兄ちゃん? あたし、女の子だよ?」
男子校、なんですけど……?
「そんなこと知ってる」
「じゃあなん「言っとくが、拒否権ないから」……」
駄目だ。
お兄ちゃんの目がマジだ……。
「な・ん・で! よりにもよって男子校なの!? あたし入れないじゃん! それに受かってた高校は!?」
諦め切れずにまくし立てる。
それでも、お兄ちゃんは涼しい顔。
もう! なんなのこの人っ!!
「もちろん、お前には性別を隠してもらう。バレたら大騒ぎだ。お前が受けてた学校は行かなくてい。因みに理由は、面白そうだからだな」
「人で無し! 鬼! 悪魔!!」
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