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しかし、その言葉は飲み込んだ。 「ははっ……知らねぇ、よ………。 勝手に、身体動いてたん、だから………しゃーねー、だろ……………?」 だから、また戯けて見せる。 これも嘘じゃない。 事実、あの時の俺は龍斗を助けることしか頭に無かった。 徐々に呂律が回らなくなってきたな……。 呼吸も心なしか、苦しくなってきた。 龍「クソッ……! 悪ぃ、もう喋んなくていい。 ……本当、馬鹿だなぁ………お前は」 「ん、だよ………せっ、かく、助けて、やったのに、さ………」 優しく髪を撫でる龍斗は、困ったように笑う。 それに俺も拗ねたように返す。 龍「それだよ。 俺なんて、助ける必要はなかった。 俺は、俺が傷つくことより、お前が傷つくことの方が………ずっと、痛くて、恐くて……悲しいんだ」 「そう、か………」 笑っていて欲しいはずなのに、その笑顔を奪ったのは俺自身、か………。 でも、それは……… 「……でも、それ、は……俺も、同じ、だから………」 龍「……ぇ?」 驚いた様に龍斗が声を漏らす。 そんな龍斗に苦笑いをする。 驚く事では無いと思う。 ただ……俺にとっても、お前が大切な存在であるというだけのこと………。 「俺、だって………お前が、傷、つけば………辛い」 龍「……馬鹿………」 すると、龍斗の口元が嬉しそうに緩んだ。 俺も吊られて笑い、知ってる、と呟いた。
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