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「俺が知ったのは偶然だ。
たまたま外へ行こうとしてたアイツに会わなかったら、今だに気づかなかっただろうな………。
言わなかったのは、梨音がそれを望まないとわかっていたからだ。
思い出せ。
アイツは学校でも外でも、本来の姿を隠し、偽っていた」
そこまで言って、周りはハッとした表情になる。
……本当は、俺はそれを利用しただけだけどな………。
罪悪感を覚えるのなら、最初からしなけりゃいいのに………。
おっと、話しが逸れたな。
「ここまでの説明、いいか?」
純「と……あ、え……ず(とりあえず)」
純がコクンッと頷く。
泉「じゃあ、今度はお見合いの事について、聞きたいなぁ?」
「……知っていたのか?」
泉が挑むような瞳で言う。
泉「まぁね。
調べるのには相当苦労したよぉ?」
純「リュ………ど、こと……?(リュウ、どういうこと?)」
険しい顔をする純。
純だけじゃない。
喰狼も、状況が掴めずに困惑していた。
「裕也、先週、俺が一度実家に帰ると言った時があったろ?」
祐「え、ええ……。
確かに、一日学園から離れるからと、私に仕事を押し付けてきましたよね?」
なんだ、まだ根に持ってやがるのか……?
裕也は眉を潜めて不機嫌になる。
どうやら、あの時の事を思い出したらしい。
ったく、仕方ねぇだろーが。
こっちは家からの呼出しだったんだっつーの!
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