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【龍斗side】 ――in 生徒会室。 「ったく……あいつはいったい何者なんだ?」 知らず知らずのうちに、考えていたことが唇からこぼれ落ちる。 「ホントだよねぇ? いだっ!? うう、まだ痛ぃ……」 「泉、何言ってやがる? 俺達はあいつに手加減されたんだぞ? しかもご丁寧に、後処理に困らないよう俺の意識だけを残して、だ……」 「ギン……一体誰なんでしょうね?」 「さぁな。 あいつは普段の俺達を知っているようだが……」 はぁ、と溜息をつく。 俺も体がまだ本調子じゃない。 だか、あれだけ痛かった体が朝には動ける程度だというところから見て、やはり手加減されたのだろう。 「その口ぶり、まるでこの学校の生徒みたいですね?」 「案外そうなんじゃないのぉ?」 「……あいつ、匂い……知ってる………?」 どうやら純はギンの匂いに心当たりがあるらしい。 「誰だ?」 「まだ、わからない……最近、嗅いだ………」 純は鼻がいいからな。 本当犬並みだ。 「まぁいい。 泉、ギンの情報を集めろ」 「えぇ!?」 嫌そうな泉を睨みつける。 「わかったよぉ」 ギン……。 絶対お前を見つけてやる。 逃がさねぇよ? お前はもう俺のモンだ……。 手に入れる。 何が何でも。 そしたらお前は、あの寂しそうな目の理由を、俺に教えてくれるだろうか……?  
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