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「はぁーっ。やっぱり俺、ついてないわぁ…」
後1時間も歩けば、王都に着く。
そう思いながら歩いていたんだが…。
「まさかここで靴紐が切れるとか」
ブツブツ呟きながら、折角だから休憩も兼ねて紐を取り替えようと、辺りを見回す。
と、少し先に休憩に良さそうな影を作る木を見つけた。
「あそこにするか…」
靴紐が切れて居る為に、のろのろとした速度で木陰を目指す。
まぁ、取り立てて急いだ旅でもないんだが。
俺みたいな小者に追っ手を掛ける程、無駄遣いな事をするハズもない。
現在俺は、逃亡中である。
理由は単純で、金が無くて税金が払えなかった。
だから夜逃げした。
簡単な話だ。
俺みたいな奴は少なくないと思う。
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