11608人が本棚に入れています
本棚に追加
あまりの急展開についていけず、ポカンとした顔で眺める事しか出来ない俺。
そんな俺に気付いていないのか、二人の男とニ人の魔族が対峙していた。
いや訂正。
さっき吹っ飛んで来たのも、どうやら人間らしい。
うめき声を上げながら、身体を起こしている。
取り敢えず…逃げるか。
巻き込まれるなんてゴメンだからな。
静かに立ち上がると、そっとその場を後に…しようとして、気付かれちゃいました、はい。
「貴様…何者だ」
「ただの…通りすがりの旅人…かな?…アハハッ…」
あれー?
この魔族のお兄さん、ついさっきまで俺から5mは離れた場所に居たよね?
一体いつの間に、俺の目の前に移動してるんだろう。
「ふん。嘘ならもっとマシな嘘をつくんだな。俺達に気配を悟られず、こんな近くまで寄るなんざ…ただの人間に出来る訳がねぇ」
えーッ!
いやいやいやいや!
近付いて来たのはそっちだし!
俺、元々ここに居たし!
これは酷い言い掛かりッ。
とは、言えませんでした。
だって怖いからね!?
俺、戦闘経験なんてないからね!?
死ぬから!
絶対、死ぬから!
最初のコメントを投稿しよう!