押しかけ使い魔

6/16
前へ
/419ページ
次へ
あまりの急展開についていけず、ポカンとした顔で眺める事しか出来ない俺。 そんな俺に気付いていないのか、二人の男とニ人の魔族が対峙していた。 いや訂正。 さっき吹っ飛んで来たのも、どうやら人間らしい。 うめき声を上げながら、身体を起こしている。 取り敢えず…逃げるか。 巻き込まれるなんてゴメンだからな。 静かに立ち上がると、そっとその場を後に…しようとして、気付かれちゃいました、はい。 「貴様…何者だ」 「ただの…通りすがりの旅人…かな?…アハハッ…」 あれー? この魔族のお兄さん、ついさっきまで俺から5mは離れた場所に居たよね? 一体いつの間に、俺の目の前に移動してるんだろう。 「ふん。嘘ならもっとマシな嘘をつくんだな。俺達に気配を悟られず、こんな近くまで寄るなんざ…ただの人間に出来る訳がねぇ」 えーッ! いやいやいやいや! 近付いて来たのはそっちだし! 俺、元々ここに居たし! これは酷い言い掛かりッ。 とは、言えませんでした。 だって怖いからね!? 俺、戦闘経験なんてないからね!? 死ぬから! 絶対、死ぬから!
/419ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11608人が本棚に入れています
本棚に追加