押しかけ使い魔

8/16
前へ
/419ページ
次へ
てゆーか、指がプルプル震えちゃって細かい作業とか無理だし! もう靴紐は諦めて逃げるしかない! 偶然とはいえ、蹴りまで外した魔族のお兄さんが舌打ちして怖い目してるから! だ が し か し ! 俺は腰が抜けて立てない。 あぁ、もう腰が抜けてるって認めちゃうさ。 無様でも良い! 何かに縋ってでも逃げないとぉぉ! どうせ俺は根性無しだよ? 咄嗟に辺りを見回すが、杖として支えになる様な物も都合良く落ちてはいない。 見えるのは一旦距離を取ったのか、少し離れた位置から何故か警戒したように、ジリジリと間合いを詰めてくる魔族なお兄さんだけだ。 …って、あるじゃん! 手頃なのが!
/419ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11608人が本棚に入れています
本棚に追加