八咫烏vs特務機関

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・・・side名も無き歩哨 「よう、一息入れようや。」 「そうだな。一休みするか。」 同僚にコーヒーを渡した俺は壁の向こうに広がる荒野を眺める。 この国の未来を担う最先端技術を研究開発する企業に警備員として雇われて6年が過ぎた。 「次代を担う最先端技術を扱ってるのは理解してるが、やっぱやり過ぎだとおもわないか?」 壁の中、自分の後方に広がる施設群を横目に同僚に話し掛ける。 「そうだなぁ、やり過ぎはやり過ぎだろうが・・・何か起きてから「備えが足りませんでした」じゃあ意味がないからな。やり過ぎくらいが丁度良いんだ。」 「かぁ~流石に年期が違うと言う事も違うねぇ。」 俺と同じ元傭兵の同僚の言う事には毎回感心させられるな。 同僚に軽口を返しながら、俺は懐から煙草を取り出した。 「・・・フゥ~・・・・そう言や最近、何か開発されたらしいじゃないか。」 紫煙を吐き出し手摺に身を預けながら、同僚に顔だけ向け言う。 「ああ、なんでも能力者が能力を使う時に脳内で行う演算を特殊な電磁波で妨害して能力発現を封じる装置・・・とかなんとか研究員の知り合いが自慢気に話してたな。」 「・・・・お前、研究員に知り合いなんか居たのかよ。」 同僚の無駄に広い交友関係には驚くしかないな。 、
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