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「・・・お前達、やんちゃが過ぎるぞ。」
一触即発の雰囲気に紗季が冷淡な声で話し掛ける。
紗季の言葉に二人は落ち着きを取り戻す。
「それで良い、あまり家族で争うな。」
素直に引き下がった二人に紗季は満足気に言う。
「・・・お父様、今回私達は陽動だけで宜しいのですか?」
そう紗季に話し掛けたのは小さな子ども。
「いや、陽動はついでだ。お前達は存分に暴れろ。」
「・・・・・・面倒くせぇ。」
紗季の言葉に皆が頷く中、一人ダルそうに呟く人物がいた。
筋肉の鎧に守られた巨大な体躯を持つ人物はぶつぶつと呟く。
「おいおい、そんなんで大丈夫か?」
豪快に笑っていた人物が呆れたようにダルそうな人物を見て言う。
「ねえねえ、食べて良い?」
そんな光景を全て無視し紗季のスーツを引っ張りながら、子どものような雰囲気を持つ人物が尋ねる。
「・・・そうだなぁ、食べて・・・いや“飲んで良いぞ”。」
「は~い!!」
紗季の言葉にニタァっと寒気のする笑みで嬉しそうに応える。
「さあ、お前達。容赦はいらん!!刃向かう人間には地獄を見せてやれ!!」
紗季が叫ぶとバチッと赤い電光が走り、施設群を丸ごと囲む巨大な高い土壁が地面から盛り上がった。
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