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毒々しい紫色の空間で自身が普通だと信じて疑わない常識人?の北山紗季が俯せに倒れていた。
「・・・っ此処は?」
目を覚ました紗季は頭を振りながら起き上がるが、ジャックのドM発言から記憶が途切れている事に気付き、更にシャーロットの甲板に居た筈だと言うのに不思議な空間に居る現状に困惑していた。
「やっh・・・。」
背後から突然に聞こえてきた声に、紗季は直剣を振るう事で応える。
言い切る前に直剣で首を落とされたのは子ども。
「ちょっと酷くない?」
だが、直後に直ぐ後ろで同じ声がする。
「前にも言ったろ?急に背後に現れるからだ。・・・ロキ。」
振り向き声の主である無邪気な子どもの姿をしたロキに言う紗季。
北欧神話にて邪神や悪神、はたまた悪戯の神とも称される高位の神ロキは、両親から与えられた世界に暇潰しと言って紗季を拉致し送り込んだ面倒くさい奴である。
「ぶーぶー!!だからって殺すことはないんじゃない?」
「殺られる前に殺るのが俺の信条だ。」
両手をブンブン振りながら大袈裟に騒ぐロキに、紗季は悪びれもせずあっけらかんと言い放つ。
「・・・・はあ、もう良いや。それより君は何で此処に居るんだい?」
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