第1部

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 俺が第一声をどうしようか迷っている間に、彼女はふわっと微笑んで口を開いた。 「…今、寝てたよね?」  はい、と俺のペットボトルを差し出した。 「あ、うん……。ありがとう」  戸惑いつつも、受け取る俺。  ……なんだろう、この感覚……。  気付けば、太陽は沈み、あたりが薄暗くなってきていた。 「…名前、聞いてもいいかな?」  遠慮がちに決意を目に宿して彼女は俺を見上げる。  その眼差し。  どきり、とした。
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