第1部

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 街頭の仄暗い明かりが、うすく彼女を浮かび上がらせている。 「…俺、は。青山夏樹…んと、渚南高校の2年4組…って、何言ってんだか」  上手く声が出ない。  なんとなくの照れ笑いで、彼女を見る。  彼女は、驚いているように見えた。  ……あれ?  そこへ、ケータイの着信音。 「あ、ごめん。帰らなきゃ……」  着信の相手を確認しつつ、彼女は俺を見た。 「また、ね。夏樹君」
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