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想像を絶するほどの遠き昔。
まだこの世もあの世もなく、光も闇も、時も空間も存在しない、混沌入り交じる世界。
右も左も解せぬその世に、長い年月を経て混沌より一つの何かが生まれた。
ソレが生まれた刹那に生命の原理が誕生し、時が生まれ、空間さえも作り出した。
生命と呼べぬ実態すらないソレは混沌を糧とし、ただ"在る"のではなく己で考える事を覚え、また長い年月を経て巨大になってゆく。
これにて考える事をが生まれ、成長が生まれ、物を摂取する原理が生まれた。
気が遠くなるほど長い年月の間にソレが何かをする度に何かが生まれて行った。
漂っているのか、己が今何をしているか…解らずにソレはまた長い年月を生きる。
そしてまたある時ソレと同じような存在が、ソレと遠く離れた場所で産まれた。
ソレと違っていたのはソレとは違い、光を放っていた事。
これにて光と闇が生まれたのだった。
彼方から漏れる見たこともない光と言う明かりに、ソレは惹かれるように近付いて行った。
これにて距離と移動が生まれる事になる。
幾ばくの時がながれ、ようやくソレは新たに産まれ、神々しく光り輝く同じ存在の元へとたどり着く。
これが出会いと縁の産まれた瞬間である。
光りに照らされソレの姿が初めてその場所に浮かびがった。
今となっては"龍"と呼ばれし、闇のように黒い雄大な姿。
そして光り輝く新たな存在もまた、ソレと似た白き"龍"の姿形であった。
これにて色彩が生まれる。
まだ生まれ、小さな小さな白き存在と大きな大きな黒き存在はこうして出会った。
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