◆ クルセリア神話

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  目の前の白き存在に何をすればよいか、考えていた黒き存在は白き存在の元で過ごすようになる。 まだ幼い白き存在に黒き存在は己が永い年月を経て、培ってきた全てを教えていった。 共生、教育が生まれた瞬間であった。 更にそれに伴い、言葉やコミュニケーションが生まれる。 また長い年月を経て、白き存在は大きく成長を遂げる。 二つの存在は共に行動し、共にあらゆる物を生み出して行く。 ある時、白き存在が己によく似た存在はいないか探してみようと黒き存在に投げ掛け、黒き存在もまたこれを了承した。 また長い長い年月をかけ、二つの存在は果てもない、その空間を移動する。 だが、決して己らと同じような存在が見つかる事はなかった。 寂しさが生まれ、虚無も生まれ、二つの存在は知恵を出しあった。 その結果、二つの存在は力を出しあって時間をかけ、どうにか己らと同じような存在を生み出す事になる。 これが雄雌の誕生と新たな生命の誕生の原理を生み出した。 二つの存在はまた次々と新たな存在を生み出していく。 それは大地や空、海原や風なども生み出される結果となり、数多な物をまた生み出した。 大地には龍と呼ばれる存在が生活をし、豊かな時代を育む。 そしていよいよ、名前と個が生まれる瞬間がきた。 同じような姿では区別がつきにくい、故にその存在を特定する呼び名が必要であった。 二つの存在は自分達の子供達より。 黒き存在の黒神龍(コクシンリュウ)、白き輝く存在の光神龍(コウシンリュウ)と呼ばれるようになる。  
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