王都アレイズ

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「そういえば今日は新人の入隊日やないんですか隊長?」 なまりのある言葉でエストレアに声を掛けたのは黒髪の青年。 閉じているとしか思えない程に細い目がつり上がっているものだから、狐に見えて仕方ない。 「そうそう、今日は僕達11番隊に待ち望んだ新人が来るんだよ」 「えらい久しぶりですねえ、これでやっと七人ですか、ああ、僕入れたら八人か」 通常、軍、正式には王立特務騎士団は1つの隊に数十機の魔装騎兵と百名を越える歩兵から成り立っている。 魔装騎兵とは魔鉱石から製錬された魔力で動く約10メートル程の人型兵器だ。 しかし、エストレア率いる王立特務魔導騎士団11番隊には現状で七名の隊員しかいない。 これは11番隊の任務体系からなる物であり、また、隊長であるエストレアの意向でもある。 そんな11番隊に今日、新人が配属される。 「という訳で、今から迎えに行ってくるから皆は格納庫で待ってて」 「了解です」 エストレアの言葉に各々答える六名の隊員達。 エストレアは返事を聞くと、踵を返し、到着したばかりの隊舎を後に、新入隊員の待つ城内の広場へと向かっていった。
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