5人が本棚に入れています
本棚に追加
「行ってきまーす。」
日差しが強い朝。オレは元気よく家を出た。
「気を付けて行くのよー。ちゃんと夏休みには顔出しなさいね。」
母親がそう話ながら心配そうな顔をしてた。
「大丈夫だよー。全寮制の学園なんだから心配しないで」
「あんた迷惑だけはかけないでよね。ただでさえ問題児なんだから」
そう言いながら少し寂しそうな顔をしてた。
「大丈夫だから。じゃあ行ってきます。」
照れ隠しに小走りで学園に向かった。今から向かうのはアリオス学園。去年設立された新しい学校だ。
「母さんはホントに心配症だな。」
独り言を呟きながら学園に向かってると人にぶつかってしまった。
「いってー。大丈夫ですか?」
そう言いながら地面に座っている女の子に手を差し伸べた。
「なんとか大丈夫。」
立ち上がってそう言うと笑って返してくれた。
「君はアリオス学園の新入生?」
「はい。あなたは?」
聞き返しながらその子を見るととても小柄で栗色のショートカットが印象的だった。
「わたしはユイ。一応あなたの先輩です」
微笑みながらそう言う。
「すいません。先輩だと知らなくて」
急いで謝ると先輩は
「大丈夫だよー。とりあえずわたし急いでるからまたね!」
そう言いながら走って行ってしまった。ユイ先輩か…。あの人も同じ学園なんてこれから楽しみだ。
ニヤニヤしながら歩いてると30階建ての高層ビルについた。
ここが学園なんて思えないだろ。そんな風に思ってると
「君も新入生?」
話し掛けられた方を向くと金髪の男子がいた。
「うん。えっと…君も新入生かな?」
「そう。同じならタメ語でいいよな?オレはハルキ!よろしくな。」
感じの良さそうな奴だったので少し気が楽になった。
「そっか!オレはユウト。これからよろしく!」
「それじゃまぁクラスでも見に行きますか!」
ハルキはそう言いながら歩き出した。
「しっかしやっぱり人多いなー。学園全体でだいたい2000人だしなー。」
「でも3年はいないんだろ?ってことはオレらで1000人くらいってことか。」
二人は話しながら学園の職員に新入生の場所を聞いた。
「新入生の方はこちらをお持ちください。」
わたれたのはスマートフォンだった。
「こちらはGFと言います。こちらには学園の地図やこれから行われるAAAの登録をしてもらいます。とりあえず地図に印がついていますのでそちらで登録をお願いします。」
最初のコメントを投稿しよう!